不動産を賃貸すると売却価格が下がる?|不動産価格査定の実態

不動産を所有するメリットのなかに、家賃という不労所得を得ることがあるのではないでしょうか。

しかし、所有する不動産を安易に転用すると、思わぬ落とし穴があるかもしれません。

今回は、利用しなくなったマンションを賃貸に出したことで、売却価格に影響が出てしまった話をご紹介いたします。

弊所:Legal meには日々多くのご相談が寄せられます。

今回ご紹介するお話は、不動産会社の査定方法に疑問を持たれた方による、涙ながらのご相談に基づくものです。

この記事は以下のような人におすすめ
  • マンションや戸建てを賃貸に転用している
  • 賃貸中のマンションや戸建ての購入を検討している
  • 使っていないマンションや戸建てを所有している

このような方々には、他人事ではないお話です。

ぜひ最後までお読みください。

目次

マンションを賃貸に出した経緯を教えてください

もともと、夫婦で2LDKの中古マンションに居住していました。

2人の子供に恵まれ、下の子供が中学校に入学するタイミングで、郊外の新築一戸建てに引っ越したことがきっかけです。

元々の中古マンションには借入もなかったことと、立地も良かったため、売却ではなく資産として保有しようと考え、賃貸として利用することに決めました。

当時は賃貸として利用することを安易に考えていましたね。

家賃収入が入る、その程度にしか考えていませんでした。

また、将来的には夫婦でマンションに戻ることも選択肢の一つでした。

マンションを売却しようと思ったのはなぜですか?

子供たちのことで出費がかさんだことが原因です。

上の子供が海外に行くことになったタイミングで、下の子供が大学に入学することに。

お金がないわけではなかったのですが、手持ちの現金に不安を感じたため、マンションを売却することを考えだしました。

マンションの売却実績や相場観を自分なりに調査しました。

「うん、これならいける」と、資産として保有していた自分は間違いではなかったと確信していましたね。

不動産会社に査定を依頼するまでは、、、

不動産会社の査定結果はどのようなものだったのですか?

私の想像を大きく下回るものでした。

もともとの購入金額は2,100万円でしたが、相場は3,000万円程度と読んでいました。

何の根拠もなく3,000万円という数値を謳ったのではありません。

私なりにしっかりとした根拠を持ち合わせていました。

・同じマンション内で同じタイプの部屋が3,000万円で売りに出され、成約していたこと
・成約時期が査定に出す4ヶ月前の話であること
・その部屋が大きく改装していたわけでもないこと
・私の部屋は6階で、3,000万円で成約した部屋は3階であること

上振れするかもしれないな、という期待感まで持ち合わせていました。

しかし、査定額は驚きの18,857,000円。

約1,200万円の下振れに言葉を失いました。

まさか間違いではと思い、別の不動産会社にも査定を依頼しましたが、結果は変わらず。

事態をうまく呑み込めないまま、私は不動産会社に説明を求めることにしました。

売却査定額が減額された理由

不動産会社は、売却査定額が低い理由を説明してくれました。

その説明は以下のようなものです。

・所有している不動産が賃貸の用に供しているから
・市場参加者が限定されるから

さらに説明を求めましたが、全く理解できず、いまだに困惑しています。

賃貸で使われていると売却額が下がる

マンションや一戸建てを売却しようとするとき、不動産が賃貸の用に供されていると売却額が下がると不動産会社の担当者は説明しました。

その理由をさらに伺ったところ、回答はこのようなものでした。

「賃貸で利用していると、購入者が自分で居住することができなくなります。

賃貸で居住している人の退去がわかれば良いのですが、いつ退去するかわからない状態のものを購入しようという人はほとんどいらっしゃいません。」

「また、賃貸で利用している場合は、内覧をすることができません。

高額な不動産の購入にあたって、内装や設備などお部屋の状況を確認せずに購入するのはかなりリスクが高い行為といえるでしょう。」

「そういった状況では、このマンションを購入する人は投資家に限られてしまいます。買いたい人が少なくなるため、価格を下げざるを得ないのです。」

「賃貸として利用している時点で、この不動産は住むためのものではなく、投資用の商品ということになります。実際に住むための不動産と投資用の商品では査定方法が変わるのです。」

空き家であっても、私が住んでいても、賃貸で借りている人が住んでいても、資産価値は変わらないはずです。

しかし、不動産会社の論理では、賃貸利用している不動産の価格は下がるの一点張り。

話は平行線を辿ります。

賃貸利用している不動産の査定方法

賃貸利用している不動産は、地域性や資産性よりも収益性を重視した「収益還元法」という査定方法が採用されるそうです。

収益還元法とは…

収益還元法は、賃貸収入が発生する不動産に対して利用される査定や鑑定手法の一つです。

一般の査定方法では、過去の取引や現在の募集事例を中心に査定します。もちろん、参考事例以外にも、地域の相場や個別の価格変動要因は加味されます。

一方で、収益還元法では投資に対する利回りをベースに売却金額を査定します。個別不動産の事情も加味されますが、最も重視するものは「利回り」といえるでしょう。

私が貸していたマンションからは、月額11万円の家賃収入がありました。

マンションがあるエリアでの利回りは平均的に7%だそうです。

賃料収入11万/月額 × 12ヶ月 = 132万/年間

表面利回り7%

なので、約1,885万が査定額になるという説明でした。

全く理解できない説明に返す言葉もなくなった私は、売却をあきらめることに。

一体、なにがダメだったのでしょうか。

いまだによくわかりません。

不動産は売るときも貸すときも調査が重要

今回は、お持ちのマンションを賃貸として貸し出し中であるために、売却査定価格が減少した事例をご紹介いたしました。

誤解を恐れずに表現すると、本件は全ての事例に当てはまるものではありません。

しかし、購入者本意という不動産業界の悪習が垣間見える事例ともいえます。

本件を実際に購入して住もうという人の目線で考えてみます。

例えば、3,000万円を住宅ローンで借り入れると、返済金額は約8万円程度。現在の家賃が11万円ですから、借りるよりも購入したほうが得策という消費者心理が十分に働きますので、その点では3,000万円という価格設定は妥当ということができるでしょう。

また、本件を投資家の目線で確認してみます。

エリア平均7%という利回りを考えたとき、7%は低い数値ではありません。

投資家が検討するに値する表面利回りということが可能です。

しかし、それは1,850万円で購入することができれば、の話。

もしも11万円の賃料収入がある物件を3,000万円で購入すると、表面利回りは約4.4%まで下落します。この利回りでは投資家の目に止まらないこともまた事実です。

しかし、これらはすべて購入しようとする市場参加者の意見です。

肝心なことは、これは誰かが所有している不動産であるということ。

市場参加者の声や不動産会社の論理を優先して、売主を無下にするのはいかがなものでしょうか。

売主からすれば、3,000万円の価値のある不動産が「賃貸している」という理由で査定価格が1,850万円に下がることへの納得感のある説明はありません。

例えば、賃貸しているからという理由で固定資産税の価格は下がりませんよね。

では、どのような売却手法があるのか、もはや選択肢はないのかが知りたいところです。

入居者を退去させればいいじゃないか、そう考える方もいらっしゃるでしょう。

しかし、退去交渉は弁護士しかできない業務であり、不動産会社がすることは許されません。

今回のケースであれば、弁護士に退室交渉を依頼し、退室に要する費用を払ってもお釣りがくることは誰の目にも明らかです。

不動産会社だからといって、売主や買主に最良の選択肢を与えてくれるわけではない。

そう思い知らされる一件でした。

不動産売却に不安を感じたらLegal meまでご相談ください

本件から学ぶべきは、不動産会社の論理や選択肢が全てではないことです。

さらに、別の選択肢は不動産会社からは生まれないことも理解すべきでしょう。

弊所:Legal meでは多くの各士業の専門家の方々とパートナーシップを築いています。

不動産に関するさまざまな問題の解決や事前回避を生業としています。

また、不動産会社ではありえない安価での個人間や親族間の不動産売買もお任せください。

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