不動産売買仲介会社にとって、お客様に対して誠実であることは非常に重要です。
なぜなら、不誠実な対応はクレームやトラブルとなって返ってくるからです。
不動産会社に対するクレームやトラブルは以下のように分類することができます。
- 説明や理解不足によるもの
- 調査不足によるもの
業務の効率化とリスクヘッジのため精度向上という相反する対応に、解決策を見いだせていない不動産会社は少なくありません。
医療の現場では市民権を得ている「セカンドオピニオン」という言葉があります。
不動産売買においても病院を不動産業社に置き換え、お客様がセカンドオピニオンを利用するケースが増えていることはご存じでしょうか。
弊所:Legal meでのお問合せ件数も増えており今後、不動産売買において市民権を得る日もそう遠い話ではないと実感しています。
そこで、今回は不動産会社がセカンドオピニオンを活用すべき理由について解説します。
不動産会社が業務品質を向上させつつ、業務の効率化を図るための解決策になるものです。
ぜひ最後までお読みください。
セカンドオピニオンとは?
セカンドオピニオンとは、ある意見・診断・調査結果に対して、他の専門家や第三者から別の意見や助言を求めることをいいます。
主に医療・法律・ビジネスの分野で利用されており、専門家など第三者から得た意見や助言は、自身の判断や決定に対する確信を得たり、より良い選択を行うために活用されます。
不動産業界でもセカンドオピニオンはさまざまなシチュエーションで導入されています。
不動産会社がセカンドオピニオンを活用すべき理由
不動産会社がセカンドオピニオンとなるパートナーを選び、協働することが今後の事業活動では必要になると考えます。
その理由は以下のようなものです。
- 多様化するお客様のニーズに応えるため
お客様の不動産会社に対する要望は高まる一方です。そのため、不動産会社が対応できるものと、セカンドオピニオンとして外注すべきものとを分別することが重要です。
- 専門性の高いサービスを提供するため
不動産に関連する法律はほぼ毎年改変されるため、常に情報をアップデートする必要があります。情報に間違いがあるとトラブルに発展し、自社の評判を落としかねません。そのため、専門性の高い事業領域では外部との連携が欠かせないのです。
- 競合他社との差別化を行うため
競合他社と同じ土俵で集客していては、いつまでも差別化を図ることはできません。セカンドオピニオンを活用すれば、高精度の調査能力と判断能力を身につけることができ、差別化に繋がります。
これより、細かく解説いたします。
多様化するお客様のニーズに応えるため
不動産業界ではお客様が有する知識の向上が顕著であり、求められるニーズも多様化と複雑化の一途を辿っています。
なぜなら、不動産業界においてもIT化やDX化は確実に進んでおり、自社とお客様で有する情報の質量に差がなくなってきているからです。
もちろん、お客様の知識量が部分的に不動産会社を上回ることはありえますが、総合的な知識と経験では不動産会社に軍配が上がります。
しかし、部分的であれお客様の求めるニーズが多様化・複雑化しているため、不動産会社が対応できる範疇を超えることを求められる可能性は否定できません。
お客様からのニーズはこのようなものです。
- 法律で求められる説明事項以外のものについての調査依頼
- 近隣の土地で建設予定建物の有無
- 建物の構造など建築に関する詳細の事項
- 引渡し後に発生する可能性のある事項およびその解決策
- 確定申告に関する相談事項 など
今までの不動産業界におけるこれらの事案に対するアプローチは「買主もしくは売主の自己責任によって解決すべき」というものでした。
しかし、ニーズの多様化と複雑化によってサービス品質を向上させる必要性から、従来のアプローチでは不十分であると考えるべきでしょう。
こうした点から、物件調査や関連領域においてセカンドオピニオンを活用する必要性が認められるのです。
専門性の高いサービスを提供するため
不動産売買においては、不動産に付随する領域が広いため、把握すべき知識が広範囲にわたります。それゆえ、営業担当者は日々研鑽を積む必要があるのです。
しかし、専門の知識をアップデートすることが精一杯で、専門外の知識までカバーし続けることはもはや現実的ではありません。
そのため、関連領域については「もちはもち屋」の考えに基づき、常に相談先を備え、精度の高い回答をする準備が今からの不動産会社に求められるのです。
不動産関連領域における必要な知識は以下のようなものです。
- 宅建業法に関すること
- 都市計画法や建築基準法など賃貸や売買において最低限必要な法律に関すること
- 確定申告に関すること
- 相隣関係や境界問題などの法務に関すること
- 税制特例や控除など税務に関すること
- 航空法や風致地区などの業務に関連するマイナーな知識に関すること
これらの知識は一朝一夕で身につくものではありません。
教育は必要ですが、まずは自社で対応すべきことと対応すべきでないことを分けることです。そして、対応すべきでないことを切り捨てるのではなく、セカンドオピニオンを活用し補完することで効率的で効果的な営業成果に結びつくでしょう。
競合他社との差別化を行うため
不動産業界において他社との差別化を図ることは非常に重要です。
なぜなら、不動産業界はポータルサイトや集客サイトなどのプラットフォームが決まっているため、差別化を行わないと自社の存在が市場で埋没しやすいからです。
「もちはもち屋」という表現を使いましたが、不動産売買仲介業では業務をいくつかのフェーズに因数分解することができます。
- 集客というマーケティング業務
不動産業はポータルサイトへの掲載や売却物件の収集など、集客力がモノをいう業界です。自社の得意領域を加味し集客方法に合わせた戦略の企画立案やリソースの分配など、マーケティング領域が成否を左右すると言っても過言ではありません。
- 接客というサービス業務
不動産売買業では扱う金額が数千万円から数億円にいたるため、身なりや言葉遣いなどに高いホスピタリティが求められます。お客様からすれば営業担当者の所作は店舗の良し悪しを判断する材料となりますので、サービス業としての一面もあるでしょう。
- 契約締結に至る専門業務
不動産業では物件を調査することが重要です。なぜなら正しい調査を行わないと、金額査定・重要事項説明や契約書類の作成がままならないほか、自社がリスクを背負うことになるからです。他方、専門業務ではあるものの、関連領域が広いためアウトソーシングや業務提携を行うことで、業務の効率化を図りながら精度を高めやすい業務ともいえます。
これら因数分解した業務を見ると、営業担当者でないと成立しない業務は「サービス業務」であることがわかります。
マーケティング業務はMAツール(営業補助ツール)やCRMツール(顧客管理ツール)を利用することで効率化が可能です。
現在では、多くの不動産会社が何かしらのツールを用いて業務効率化を進めています。
専門業務はセカンドオピニオンや物件調査および契約書類作成代行会社を活用することで代用が利きます。
しかし、まだまだセカンドオピニオンや代行会社を利用している不動産会社は多くありません。
これらを踏まえ、不動産会社ではセカンドオピニオンを活用することで物件調査能力や契約書類作成能力を向上させることが差別化に繋がることは明白です。
なぜなら、まだまだ未開拓の領域だからです。
他社が実践していないが故に、パイオニアとなり差別化を図ることで、マーケティングやサービス業務にリソースを集中させることが可能なのです。
不動産会社こそセカンドオピニオンを活用して他社と差をつけよう
今回は、不動産会社がセカンドオピニオンを活用すべき理由について解説しました。
以下のような悩みを持つ不動産会社もセカンドオピニオンを活用すべきと考えます。
- 集客には成功しているが、人手が足らず契約業務に追われている
- 売買業務の取扱いが少なく、慣れていない
- 他社との差別化を図りたい
- 物件調査の精度をよりアップさせたい
セカンドオピニオンを活用することで、お客様からの印象が上がることは間違いありません。
不動産会社こそセカンドオピニオンを利用していきましょう。
不動産会社のセカンドオピニオンはLegal meにお任せください
弊所:Legal meでは、不動産会社様からのセカンドオピニオンに対応しております。
物件調査から重要事項説明書や契約書の作成まで、安心してお任せください。
なお、弊所はただの物件調査代行会社ではありません。
行政書士および宅地建物取引士資格を有する代表のもと、士業とのパートナーシップも結んでおります。不動産会社の営業担当者が見落としがちなポイントや今後のリスクや解決策に至るまで、精度の高さは細部に至ります。
東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県など関東一円で対応が可能です。
ぜひお気軽にお問合せください。
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